兄さんを愛しすぎて困ってます-告白編- 6

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第6話。完結。

しばらくして、事務所から少し離れたところにある公園へと来た俺たちは、中にある小さなベンチにゆっくりと腰を掛けた。
座ってからすぐは、お互いに黙ったまま何も言わなかったが、先程兄さんが言っていた"話"の内容が気になり、俺は勇気を出して聞いてみた。
「あの、それで、話って?」
正直、緊張で心臓が飛び出しそうだったが、あくまでも平静を装った。
すると兄さんは、しばらくの間黙ったままだったが、やがて沈黙を破るように口を開いた。
「あのさ、ミンギュ」
「はい。」
「昨日のことなんだけど」
「・・・はい。」
中々本題を切り出さない兄さんに、俺はほんの少しだけ焦れったさを感じたが、それでも兄さんが話し出してくれるのを、じっと待った。
「ミンギュさ。俺のこと好きって気持ちは・・愛してるって気持ちは、本当?」
「・・・・・」
真っ直ぐ兄さんに見つめられながらそう問われて、今度は俺が黙り込んでしまった。
・・・やっぱり、話ってこのことだったんだ。
ある程度覚悟していたとはいえ、やっぱりいざ聞かれるとなると、俺が質問に答えたあとの兄さんの言葉を聞くのが怖かった。
手も微かに震え出し、悟られないよう抑えるのに必死で。
俺は、とうとう兄さんの顔も見ていることが出来なくなり、前を向いて俯いた。
何て答えたら良いのかな・・・兄さんのことは本気で好きだし、愛してるのは本当で、偽りなどひとつもない。
だけど、あんなことを言っておいて"兄さんに嫌われたくない"と思ってしまう身勝手な自分もいた。
保身ばかりしか考えられない自分が、俺は心底嫌になった。こんな俺なんて、兄さんだって嫌に決まってる。こんな、最低な俺なんて・・・
だから俺は、もう兄さんのことは諦めて、自分の気持ちを心の中にだけ留めておくことにした。これ以上、兄さんに俺のこんな弱い姿なんて見せたくなかった。
だから・・・だから、俺・・・もう兄さんの元から離れる・・それが、お互いにとって、一番幸せな選択のような気がするから。
「・・・兄さん・・兄さん、俺、」
俺は勇気を振り絞って、兄さんにそのことを伝えようとしたけど、だけどそんな俺の言葉を待たずに、兄さんは口を開いた。
「ミンギュ。俺ね?やっと分かったんだ。俺の本当の気持ち」
「兄さんの・・本当の気持ち?」
「うん」
本当の気持ち?本当の気持ちって、それはどういう・・・
真剣な眼差しで、俺のことを真っ直ぐに見つめてくる兄さんに、俺はただただ見つめ返すだけしか出来なくて。だけど、兄さんが次に続けた言葉は、俺が全く予想もしていなかったものだった。
「俺も、ミンギュのことが好き」
「え?」
兄さんの予想外の言葉に、俺は思わず声を出してしまった。
だって・・・だって・・
「もちろん、可愛い弟としてじゃなくて。ミンギュが俺に言ってくれた言葉と同じ気持ち」
「兄さん・・・」
兄さんも、俺と同じ気持ちだった?俺の片想いなんかじゃなくて・・そんなんじゃなくて・・本当に?
「俺ね。前にミンギュたちと仕事をした時、今まで一緒に仕事なんてしたことがなかったから、すごく緊張してたんだ」
「うん」
「それで、みんなが控え室でわいわい楽しそうにしてる中、俺が隅っこで震えていたら、いつの間にか目の前にミンギュが立っていて。誰かが来た気がしたから顔を上げると、そこには、優しく微笑んでいるミンギュが立ってた。それで、そのあとすぐに"そんなに緊張した顔しないで。大丈夫ですよ、兄さん。俺は兄さんの笑った顔が見たいです″って。俺にそう言ってくれた」
「あ・・・」
俺は、兄さんのその言葉を聞いて『そういえば、そんなことが』と当時のことを思い出した。
確かあの時、兄さんはすごい緊張していたのか、ずっと下を向いていて。いつもはもっと、みんなに混じって楽しく騒いだりする方なんだと聞いていたから"俺が、兄さんの緊張を解いてあげたい"って、その時なぜかそう思ったんだ。
俺が兄さんの傍に行って"大丈夫ですから"って言うと、兄さんはやっと笑ってくれた。それがすごく嬉しくて。また一緒に仕事がしたいなって思ったんだ。
それからも、何回か兄さんたちと仕事をしたことがあって、初めての時よりもよく笑う兄さんを見ていて、その度に俺は、密かに『可愛い』と思っていた。
もちろん、兄さんにはそのことは言わなかったけど。
その時は、ただ『可愛い』と思っているだけだったけど、あの日あの時兄さんを見た時から、俺の気持ちは『可愛い』から『本気の好き』に変わったんだ。
だけど、今思えば、最初に兄さんと一緒に仕事をして、兄さんのことを初めて見た時から、本当は好きだったのかもしれない。自分でも気付かない内に。
「ドンヘ兄さん」
「なに?ミンギュ」
俺が、真剣な顔で兄さんを見つめると、兄さんもこちらを見つめ返してきた。
そんな兄さんを見ている内に、次第にまた愛しさが込み上げてきて。
気付いたら俺は、兄さんのことを強く抱きしめていた。
そして、兄さんの肩に顔を埋め、言葉を続けた。
「兄さん・・兄さん、俺・・兄さんのこと、このまま好きでいても良いんですか?」
「うん」
「本気で、好きで・・愛していても良いんですか?」
「うん。良いよ。俺も同じ気持ちだから」
俺の問いかけに、小さく頷きながら答えてくれるヒョンを、俺はもう二度と離したくないと思った。
もう、俺の腕の中から、離したくないって・・・
「ドンヘ兄さん」
俺はもう一度兄さんの名前を口にして、そしてゆっくりと兄さんの体を離した。
「ミンギュ」
すると、今度は兄さんが俺の名前を呼んで。
そして、片手で俺の頬を優しく撫でた。
「ミンギュ、好きだよ。愛してる。これからは、俺たちずっと一緒にいようね?」
そう言って、兄さんは俺に優しく微笑んだ。
「はい。ずっとずっと、傍にいたいです」
言いながら、俺も頷いて、そして笑った。
兄さん。俺、今すごく幸せです。これ以上の幸せなんて、ないくらいに。
これからは、俺が兄さんのことを幸せにする。守って行く。
兄さんのことを、本気で愛しているから。
そう心の中で誓いながら、俺は兄さんの唇にキスをした。
「・・・ん、」
すると、兄さんも俺の背中に腕を回して、俺のキスに応えた。
そんな兄さんが可愛くて、始めの軽いキスから、段々深いキスへと変わっていって・・・
「っ、・・ん、・・ミンギュ・・・」
「・・はあ・・、兄さん・・」
キスの合間に、吐息混じりの俺たちの声が漏れる。
俺のキスに一生懸命応える兄さんも、すごく可愛いかった。
「兄さん、好きです。愛してます。だから、」
「待って」
俺が、兄さんを見つめながら言おうとすると、続きを言う前に兄さんが俺の口に人差し指を宛てて、それを止めた。
そして、またにっこりと微笑むと、小さく言った。
「あんまり"好き″って言ってたら、なくなっちゃうじゃん」
「兄さん・・」
もう・・そんな可愛いこと言うなんて、反則だよ。
俺は、心の中でそんなことを思いながら、再び兄さんを抱きしめた。

好きだよ、兄さん。好き。
心の中でなら、沢山好きって言っても、なくならないでしょ?
なくなるわけないよ。これからだって、ずっとずっと。

こうして俺たちは、月が綺麗に輝く夜空の下で、いつまでもいつまでも抱きしめ合っていた。
寒さなど忘れさせてくれるほど、暖かな温もりを感じながら。

おわり

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